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| !!!様々なクラスで再利用可能なのが小物クラス |
| 粒度が非常に小さいクラスのことを小物(こもの)クラスと私は呼んでいます。次のようなものです。 |
| !!!様々なクラスで再利用可能なのが小粒クラス |
| 粒度が非常に小さいクラスのことを小粒(こつぶ)クラスと私は呼んでいます。次のようなものです。 |
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| これらは、他のクラスの属性として使われることを前提としています。そのため、極めて汎用的に設計しておく必要があります。その代わり、一度作ってしまえばシステムや時代ををまたがって再利用することが可能です。\\ |
| これらは、他のクラスの属性として使われることを前提としています。そのため、極めて汎用的に設計しておく必要があります。その代わり、一度作ってしまえばシステムや時代をまたがって再利用することが可能です。\\ |
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| たかだか数量や金額にこんなにたくさんのクラスが出てくるのか、と驚く人もいるでしょう。図に出てくるクラスとインタフェースを列記します。\\ |
| たかだか数量や金額にこんなにたくさんのクラスが出てくるのか、と驚く人もいるでしょう。図に出てくるクラスを列記します。\\ |
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| #海外通貨金額 |
| #外貨金額 |
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| #MoneyExchanger (両替) |
| ※通貨は数値系クラスではありません。\\ |
| ※通貨は数値系クラスではありません。\\ |
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| 等の処理を実装します。こうすることで、__文字列編集用の関数を別途用意する必要がなくなり__、さらに、画面・帳票・バッチとありとあらゆるプログラムで共通利用することが可能となります。\\ |
| などの処理を実装します。こうすることで、__文字列編集用の関数を別途用意する必要がなくなり__、さらに、画面・帳票・バッチとありとあらゆるプログラムで共通利用することが可能となります。\\ |
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| 場合によっては、「単位」もクラスとして定義しておくことがあります。 |
| 場合によっては、「単位」もクラスとして定義しておく必要があります。\\ |
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| 様々な通貨の金額を汎化したクラスです。このクラスは通貨を持ちます。通貨は数値系のクラスではありませんが、金額がどこの国(または地域)の通貨であるかを示すために必要です。\\ |
| __様々な通貨の金額を汎化した__クラスです。このクラスは通貨を持ちます。アプリケーションはこのクラスのオブジェクト(インスタンス)を直接扱うのではなく、円貨金額と外貨金額のオブジェクトを使います。\\ |
| このクラスは、 |
| *通貨記号付きカンマで返す |
| というメソッドを持ちます。例えば、__$123,456,789__という文字列を返します。\\ |
| 上記クラス図は日本の業務システムで利用する前提で記述してあります。FX取引などのサイト開発では外貨→円貨のみの金額変換ではなく全ての通貨の相互変換が必要になるため、円貨と外貨を区別しないモデルが必要なことに注意してください。\\ |
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| !!金額クラス |
| 商品単価クラスが持っている金額クラスを考えてみます。日本の通貨である円を前提にするならばクラスにするまでもなく、intなどの整数属性として持てばいいように思えます。\\ |
| しかし金額クラスとして定義しておけば次のような振る舞いを持たせることが可能になります。\\ |
| *消費税金額を返す |
| *カンマと通貨記号で編集した文字列を返す |
| 日本において消費税計算は特に重要で、計算の基となる情報として「消費税区分(内税/外税/税額)」が必要になります。「税額」という区分値は、その金額が消費税自体を表す時に使います。また消費税率も必要ですが、これは全オブジェクトで共通なのでクラス変数として定義します。\\ |
| これらを反映したのが次のクラス図です。\\ |
| [amount_class.png]\\ |
| !【通貨】 |
| 通貨は、金額が__どこの国(または地域)の通貨であるか__を示すために必要です。このクラスはレート一覧を持ち、指定された日付(あるいは年月)のレートを返す処理を持ちます。\\ |
| 通貨は数値系のクラスではありません。\\ |
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| !【円貨金額】 |
| 日本の通貨である__円の金額__を持ちます。そして日本特有の処理である「消費税額を返す」処理を持たせます。こうすることで、消費税計算の関数を別途作る必要がなくなります。消費税率を特定するために消費税一覧クラスを持ちます。\\ |
| 消費税額を計算するためには次の判断が必要になります。 |
| #内税 |
| #外税 |
| #税自身 |
| 3番目の「税自身」というのは、消費税額自身を持つインスタンスであることを示します。 |
| *内/外税区分 |
| という属性でこれらの値を持ちます。\\ |
| 日本の業務を前提にしたシステムの場合、円貨金額の通貨を明示的に保存しておくことはしません。その場合は金額クラスが通貨クラスを持つのではなく、外貨金額が通貨を持つように設計するといいでしょう。\\ |
| [numeric2.png] |
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| !【消費税率一覧】 |
| 複数の消費税を持つ「一山クラス」です。消費税は日付によって税率が異なるため複数あり得るのでこのクラスが必要です。\\ |
| 日付を基にして消費税率を判断し、それを返すメソッドを持ちます。 |
|
| !【消費税率】 |
| 消費税率の数値を持ちます。2011年時点の消費税率は5%ですが、この時に |
| *5 |
| *0.05 |
| のいずれで持つのかは設計者の判断になります。その持ち方に合わせて、円貨金額クラスの消費税額を返すメソッドを実装します。 |
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| !【外貨金額】 |
| 円貨以外の金額を保持するクラスです。保持している金額値を円貨に換算するための |
| *円貨金額に変換する |
| メソッドを持ちます。このメソッドの中では、通貨クラスの |
| *レートを返す |
| メソッドを利用してレートを取得し、計算します。レートを決めるためにはその金額が発生した日付(場合によっては年月)が必要になります。 |
|
| !【レート一覧】 |
| __レートを複数持つ一山クラス__です。__レートは日付によって変わる__ためこの一覧クラスが必要になります。\\ |
| 日付によってレートを特定するための |
| *レートを返す |
| メソッドを実装します。 |
| __自国通貨金額(日本では円貨金額)のレート値は常に「1」__であるため特殊処理が必要になります。通貨クラスが自国通貨フラグを持っているのはこのためです。 |
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| !【レート】 |
| 為替のレート値を保持するクラスです。このクラスは、 |
| *レート値 |
| *日付 |
| を持ちます。場合によって日付は年月になることもあります。 |
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| 日付クラスは何かが実行された年月日を持っているクラスです。\\ |
| 日付クラスはとても汎用的に設計する必要があります。例えば、区切り文字で日付を編集した文字列を返すメソッドを実装するにしても、スラッシュ(/)で区切るメソッドやハイフン(-)で区切るメソッドなどいくつか必要になります。また、 |
| 日付クラスは何かが実行された年月日を持っているクラスです。年月日は、暦としてあらかじめ定義されているある__特定の日__を表現するので |
| *物クラス |
| として扱います。業務システムにてよく利用される「営業日マスタ」を想像してもらえば解りやすいと思います。\\ |
| *2011年8月17日の売上金額 |
| *2011年8月17日の契約件数 |
| を考えた場合、売上金額と契約件数という違いはあるものの、両方とも同じ__2011年8月17日__という日のオブジェクトを指しています。\\ |
| \\ |
| 日付クラスはとても汎用的に設計する必要があります。例えば、 |
| *区切り文字で日付を編集した文字列を返すメソッド |
| を実装するにしても、 |
| *スラッシュ(/)で区切るメソッド |
| *ハイフン(-)で区切るメソッド |
| などがいくつか必要になります。また、 |
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| [date.png]\\ |
| Javaで実装する場合、java.util.Calendarクラスを日付値として内部で利用します。\\ |
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| 上記クラス図で解るように日付クラスは色々なクラスから利用されるため、色々な可能性を考えて設計する必要があります。\\ |
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| !!その他の例 |
| かつて関わった物流プロジェクトにて__体積クラス__というのを設計しました。 |
| *長さ(Length) |
| *幅 (Width) |
| *高さ(Height) |
| という3つの属性を持ち、3者を乗算して |
| *体積 |
| を返すというものです。\\ |
| 複数の部品を梱包した荷姿が不定型で、出荷する荷姿ごとに体積を管理する必要があったためです。\\ |
| この体積クラスは__結果クラス__に分類されます。\\ |
| [volume.png]\\ |
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| !!まとめ |
| *他のクラスの属性として利用されるのが小粒クラス |
| *代表的なクラスは数量・金額・日付 |
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| !!コラム |
| 小粒クラスを見逃していると綺麗な設計が出来ず、関数に頼った実装になってしまいます。\\ |
| *氏名 |
| *住所 |
| など、文字列で表現される小粒クラスは特に見逃されがちです。\\ |
| O/Rマッパによっては、 |
| *RDBテーブル上で複数の属性となっているものを一つのクラスにマッピングできない |
| *標準ではない自作のクラスをマッピングできない |
| などの制限があり、小粒クラスが使いづらい場合もあります。\\ |
| そういう場合であっても、マッピングを自前でコーディングすることによって小粒クラスを使うようにして下さい。保守性が格段に上がることを経験できるでしょう。\\ |
| \\ |
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